求められるエンジニアの能力

エンジニアは、目に見えないものを作り出すことが生業だ。クライアントへの説明を何度も重ね、暗闇の中を手探りで進むような感覚で仕事をしているため、規定の時間に退勤できない日が多い。業界全体に過重労働は当たり前という認識が定着していたが、プライベートの時間を極端に削られて苦悩する一般社員の増加に伴って改善策を講じる会社が徐々に増えてきている。
しかし、急ピッチで規模が拡大した組織は人材を教育体制の整備が後手になり、効率よく仕事を進められない状態が慢性化しているケースが少なくない。ただし、現場で必要な能力や技術を養えば、過重労働の悩みを解消できる。まず、多種多様な課題に立ち向かう上で、論理的に思考する能力が必要不可欠だ。問題を的確に解決する能力が長けていたり、時間を掛けて粘り強く考えたりできる人はエンジニアに適している。さらに、相手の立場に立って分かりやすく説明するコミュニケーション能力も必要だ。
例え、知識が豊富だったとしても、クライアントや同僚とスムーズに意見交換できなければ遅々として仕事が進まない。その他、システムに関する技術書を読んで知識を蓄え、成長しようと励む姿勢も大切だ。ITは常に進化しているため、学ぶ習慣を怠ると仕事についていけなくなる事態に陥りかねない。また、24時間稼働するシステムの一般化によって夜間の緊急トラブルに対処しなければならない機会が増えてきているため、健康管理を徹底して万全のコンディションで従事できる方が望ましい。